線路角度を10度から9度ピッチに魔改造したKATOの電動ターンテーブルの桁部分を加工していきます。
前回の工作記事です。
製品のターンテーブルは上路式ですので今回は下路式に加工します。
桁部も3Dプリンターで造形することにしました。
また前回の工作で少し調整する箇所が見つかったため外周線路を再度造形しました。
転車台桁部の全長は155mmとしたのですが手持ちの光造形機だと造形サイズを超えてしまうため中央で分割して造形しました。
家庭用の光造形機は面で造形するタイプが主流ですので造形時間は体積ではなく高さできまります。
よって同じ形状の立体であれば1つ造形するのも10個造形するのも造形時間は同じです。
こちらが元データ画像です。
分割して接着する面は平らである必要があるためサポート材が付かないようにします。
サポート材をナイフとニッパーでカットしていきます。
サポート材の除去作業は二次硬化前に行う方が良いとされています(もちろん全ての場合ではありません)。
理由の1つは二次硬化前はまだ柔らかいためカットしやすいからです。
二次硬化後にニッパーなどでカットすると予期せぬ場所が割れたりします…。
ナイフなどでもサクサク削れるため大まかなカットや調整は二次硬化前に行う方が良いかと思います。
対してサンドペーパーなどでの表面処理は二次硬化させた後のほうが作業しやすいです。
二次硬化の前にサポート材を除去するもうひとつの理由は、サポート収縮によって造形物が変形するのを避けるためです。
二次硬化によって多少なりともレジンは収縮します。
当然サポート材も収縮するため形状によっては収縮したサポート材に引っ張られて立体の形状が変わってしまうということが無いわけではありません。
逆にサポート材を付けていたほうが造形物側の収縮による変形を避けることもできる場合もあるため状況によります。
転車台のサポート材を取り終えて桁の横に並べました。
サイズは問題なさそうです。
機関車を載せてみました。
ターンテーブルのレールはラッチの施錠に合わせて左右にスライドして位置調整される仕組みになっています。
干渉しないようレールと桁パーツの間にクリアランスを保ちました。
二次硬化のあと前後のパーツを接着しました。
モデリングの段階であけていた穴に0.5mmの真鍮線を差し込み接着しました。
これで多少の強度アップは図れそうです。
レジンは基本的には接着剤では引っ付きませんが二次硬化をしっかりすれば瞬間接着剤(アロンアルファなど)で固着できます。
その後ターンテーブルと転車台を塗装しました。
フラットブラックを下地にグレー、ダークアースを吹き付けています。
こちらも下地にフラットブラック、グリーンを塗り重ねました。
ターンテーブルレールにはレッドブラウンを吹きましたのでレール上面と通電部分の塗料を落としました。
いずれもMR.ウェザリングカラーのブラックでウォッシュしたあとに白パステルでエッジを着色しています。
そしてターンテーブルをピットに戻しました。
ターンテーブル桁は外周線路を外さないと取り外せない機構になっています。
そのため外周線路は1ブロックだけ着脱可能にしました。
これでジオラマボードに埋め込んだ際のターンテーブルメンテナンスもできるようになりました。
櫓パーツを取付けて横から眺めます。
櫓は柵の上部にハマって乗っているだけで接着はしていません。
よく手をぶつける箇所でもあるので無理に力が加わった際に壊れるのを避けて取れるようにしました。
回転と走行テストをします。
動力自体には何の加工もしていません。
外周線路は新たに製作しましたが歯車部分はピット底に残っていますので回転に影響はありません。
微調整して外周線路を作り直したため引っかかって止まることはなくなりました。
C62を進入させました。
ターンテーブルが大きく見える(実際に大きいですが)のは色調と周りにあるものとの対比による錯覚にも影響すると考えています。
製品のカラーリングは白に近いグレーなため、その中央に引き締まって見える黒色のSLが乗ると色の対比で機関車が小さく見えてしまいます。
またこのターンテーブルの外周部分(渡り板の外側)はバラストに埋まるのでジオラマに組み込み周りに扇形庫があれば相対的にターンテーブルは小さく見えるはずです(ほんまかいな)。
最後にリニューアル前の旧スケールC62を載せてみました。
サイズ的にはこっちの方がしっくりきますね…。
ひとまずこれでKATOのターンテーブル改造は終わりにします。
YouTube動画
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